前回、前々回では売る前に調べたほうがいい、エレクトリックギター、アコースティックギター等の状態の調べ方をお伝えしてきました。
今回は管楽器の花形のひとつでもあるトランペットの状態の確認の仕方をお伝えします。
意外とおうちに眠っているのが多いのがこのトランペット
でも誰でも吹くことができるわけではなかったりするので、意外と困りものでもあったりします。
今回はそんなことも踏まえ、トランペットを吹くことができない方でも、問題なく確認できる方法をお伝えいたします。
調べる箇所
調べる箇所は大きく分けて3つ
一つはピストン
トランペットのかなめの部分です。
実はこれ、きれいにとれます。ここも調べましょう。
抜き差し管です。
ピストンの一つ一つに対応して、取り外しのできる管が付いています。
最後に全体的なへこみの具合であったり、消耗品の状態
になります。
各部位はヤマハさんのホームページで詳細に解説されています。
こちらを参考にされたほうがよろしいでしょう。
では一つ一つ見ていきましょう。
ピストン
肝心かなめの部分です。
マウスピース(吹く部分)から見て手前側から
第1ピストン、第2ピストン、第3ピストンとなっています。
このピストンを押す組み合わせによって、音の通り道が変わり、音程を変えることができるわけです。
ここで、確認したい部分は二つです。
一つはピストンの動作確認です。
スムーズに押すことができるか、押した後、ピストンがスムーズに戻ってくるかを確認します。
ただ、機種によって微妙にピストンの硬さには違いがあるため、変な引っ掛かりがあるかどうか、という視点で確認するとよいかと思います。
こうすることによって、ピストンが固着しているかどうか、またピストンを動かすばねの状態がおおよそわかります。
二つ目はピストン、ピストン周りのパーツがちゃんと外れるかどうかの確認です。
まずはピストンバルブがちゃんとトランペットから外れるかどうか確認しましょう。
外すときは頭の部分ではなく、付け根の部分を回しましょう。
ここがうまく回らなかったり、回っても抜けなかったりするとピストンが経年で固着している場合があります。
まずは持ちこのようなトランペットようのオイルとお持ちでしたらそれをまずは使ってみましょう。
バルブオイルに関しては、もし、粘度に合わせて複数の種類があります。
以前使っていたものがわかる場合にはそちらを使いましょう。
違う種類のものを使っていると、あとあと固着が生まれる原因にもなります。
こうしたことをやっても、それでもダメな場合はリペアショップに依頼しましょう。
固着がひどくない場合は数千円の修理で済む場合がほとんどです。
ライターであぶって固着を緩めたりする、というご自身でできるような方法もあることにはあるのですが、調整が難しく、楽器を痛めてしまう可能性があるため、おすすめは致しません。
固着確認
もう一つ外してもらいたいのがピストンバルブが入っている管をバルブケーシングというのですが、その下の部分のキャップです。
ここは潤滑油の汚れがたまりやすい部分で、そのことによって、トランペットの使用感にも影響を与える部分です。
ここも固着している場合があるので、その場合はリペアショップに依頼しましょう。
ご自身でできる方法というとタオルなどをまいた上で、ペンチなどでぐりっと回す
後は先ほどのようにライターであぶる、という方法がありますが、あくまで自己責任でお願いいたします。
固着の問題がなくスムーズにピストンやキャップが取れましたら、それぞれ、きれいにふいてあげたうえで、バルブオイルをお持ちの方はバルブの部分に注油しましょう。
ピストンを戻す際の注意なのですが、それぞれ、きっちりと戻す向きが決まっています。
多くのトランペットでは、向きを示す、でっぱりのようなものがついています。そのでっぱりが奏者(吹き口)側に向くように戻しましょう。
ちゃんと戻せないと、音がしっかりならないなど、問題が生じます。
抜き差し管の確認
トランペットでは先ほどのピストンに合わせて、空気の通り道である、抜き差し管と呼ばれる管があります。
それぞれ、第1ピストンには第1抜き差し管
第2ピストンには第2抜き差し管
それ以外に一番大きな管部分の、主管抜き差し管という風になっています。
それぞれの位置はこんな感じです。
ここでも先ほどと同じように固着がなくスムーズにとりはずしができるか確認しましょう。
特に第一、第三抜き差し管に関しては、機種によってはここを伸ばしたりもとに戻したりすることで、音程をとったりする部分でもありますので、特に入念に調べましょう。
長年そのままにされていたトランペットでは多くの場合ここが固くなっているかと思います。
力任せに引き抜くと管をへこませてしまう恐れもありますので、布などを間に挟みゆっくり力をかけて抜きましょう。
第一第二第三に関しては、それぞれに対応したピストンを押しながらやると抜きやすいでしょう。
こちらも固着がある場合にはリペアショップにお願いしましょう。
こちらに関しては先ほども申し上げたように、管をへこませてしまう恐れがありますので、リペアショップをご利用されることを強く勧めます。
無事外れましたら、こちらにもバルブオイルをさしておきましょう。
全体確認
細かい部分の状態確認が済みましたら、全体の確認に移りましょう。
ここでは、塗装のはがれやへこみの確認と消耗部品の確認を行いましょう。
塗装のはがれやへこみに関しては一目でわかりますので、ここでは詳しく書きません。
消耗品に関しては
1 ピストンの根本部分にあるフェルト
こちらで微妙なピストンの動きが調整されています。
新品の状態だと十分な厚みがあるのですが、使用しているとだんだんと薄く、硬くなってきます。
一個、数百円で交換が可能ですので、可能であれば交換しましょう。
もう一つがウォーターキーの確認です。
主管抜き差し管と、第三抜き差し管についている、ものです。
ここで、息を吹き込んだことによって管の中に入った唾液を外に出したりするようになっています。
使っていると当然、水分に触れるので、それを抑えているコルクの部分が劣化してきます。
可能であればこのコルクを交換しましょう。
交換自体はトランペットを触ったことのない方でも比較的簡単にできるものです。
私はこちらの島村楽器さんのサイトを参考に交換をしました。
これが終われば、トランペットを吹くことができない人でもできる状態確認は終了です。
大急ぎで査定に持っていきましょう。
ではでは