今回は経路を変えて実はこんなものもそれなりの値段で売れているんだよ、というお話をさせていただきたいと思います。
今回お話させていただきたいのは
ビザールギターと呼ばれるギターたち、
ギターをやっていたり、音楽が好きな方にはおお、あれか、というような感じかもしれませんが、
実際どんなものかというと
1960年代から70年代にかけて、主に日本で生産されていた、主に廉価帯のエレクトリックギター(エレクトリックベース)
これらのことを総称してビザールギターといいます。
なんでビザール(奇妙な)ギターなの
これらのギターがなぜビザールギターと呼ばれるか、というと
それは当時日本が置かれていた状況と深くかかわっています。
ときは高度経済成長期、いけいけどんどん、一般の人たちの所得は上がり続け、
作ったものはすぐにうれ、そんな時代 テレビや冷蔵庫、洗濯機がではじめ、三種の神器、なんて呼ばれたのもこの時代だったりします。
最初は、新たな生活必需品が売れていたわけですが、そうしたものへの消費がひと段落した後に売れだしたのが、嗜好品であったり、ギターなどの芸術品です。
特にギターは、ビートルズやベンチャーズの登場による、空前のブームによって支えられ、かなりの売り上げを記録しました。
ですが、1ドルが360円だった当時、誰しもが本場アメリカのフェンダーやギブソンのエレキギターを購入できたわけではありません。
そんな中で、作れば売れるというギター業界の好景気に目を付けた、商社や果ては家具職人なんかが、見よう見まねで、ギターを作り始めたのです。
その当時、ギターを作っている人ですら、本物を見ることはなかなか難しく、正しい形をコピーして作ることもできず、かといってコストを上げることができず、という中で、個性的すぎるギターが生まれてきたのです。
楽器としての致命的な欠点があるものも少なくありません。
それらのギターが総称してビザール(奇妙な)ギターとして呼ばれるようになったわけです。
どんな会社で作っていたのか
そんなビザールギター
当時は家具屋出身のグヤトーン (guyatone)
ブルーコメッツのギターを作っていた firstman
テスコ
honey
細野晴臣も使っていた elk(エルク)
など実に多様な楽器メーカー、ブランドで作られていました。
こうした楽器の中にはビザールとは呼べないくらい完成度が高い楽器も多く
firstmanやelk guyatoneの一部の機種は現在でも高値で取引されています。
もし押し入れの中で眠っているようだったら、調べみるとよいかもしれません。
ビザールギターはなぜ高く売れるのか
そんなビザールギター
最初に書いたような経緯で生まれたため、
結局ギターを弾かなくなってしまったり
いいギターが手に入ったり
というような理由で実は押し入れの中にしまわれていて
ぼろぼろになってしまってるなんて言うケースが多々あります。
でもそのようなギターでも(先ほど紹介した著名な機種でなくても)実はヤフオクやメルカリなんかでは10000万円近い金額で売られていたりします。
きれいな状態のものであれば楽器店や楽器買取専門店でも同額くらい、またはそれ以上の価値が付くことが多いです。
なぜこんな状況が生まれているのか
一つはビザールギターのその多くが現在見られるギターに比べ非常に個性的な見た目である、ということです。
昨今一部のアーティストがこうした見た目を逆手にとり、セルフプロデュースもかねて使用
(セイントヴィンセントで知られるシンガーソングライター アーニークラークなんかは一番有名でしょう)
話題になったのです。
そんなこともあり、個性的な見た目を求めるプレイヤーが求めるようになったのです。
もうひとつ目は特にギター奏者に顕著なのですが、ビンテージ史上志向というものがあります。
簡単に言うと、古いものはいい音がする、いい音がする、という考えが多数を占めているということです。
ただ、実際本物の古いギターは高額であることが多いのです。
そんな中、目を付けられたのが、ビザールギターというわけです。
年代は古く値段もそこまで高くはない、ということで、売れるようになったのです。
最後の一つとして、コレクター的な価値があります。
ビザールギターは生まれた時代が時代で、グループサウンズに使われたり、加山雄三さんが使っていたりと、その当時アイドル的な人物、バンドがこぞって使っていました。
そうした中で、そういったもののグッズを集めているコレクターの中にはギターも含めて集めている人もおり、そうした部分でコレクター的な価値が生まれ、昨今のビザールギターの値段の高騰につながっているようです。
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